渡米前後のお話です。お弁当をほとんど口にしないで息子が学校から帰ってきた話の続き。
これまでのお話 -> (1), (2), (3), (4), (5), (6), (7), (8), (9), (10)
当時はまだ日本語でもうまく説明できる年齢ではありません。もっと言えば、すべて理解不能の言語の中で過ごしたので、何がどうなっているのか、本人もわかっていなかったと思います。
私も実は、食事のことを全くわかっていませんでした。
- スナックタイム
- ランチタイム
まさかスナックタイムが午前中にあるとは考えも及びませんでした。今ならわかります。でも、スナック=おやつと思っていたので、スナックタイムはてっきり午後だと思い込んでいました。保育園でも学童でもそうだったからです。
おそらくですが、そんな勘違いから、スナックタイムに息子はお弁当箱のおにぎりをかじり、ランチタイムは何を食べたらいいのかわからなくなった、ということではないかと思っています。
ランチの時間は、ランチバッグをランチバケット(クラスでまとめてカフェテリアにお弁当を持っていくためのかご)に入れて、みんなでカフェテリアに行ってバケットから自分のものを取り出して食べます。
バケットに入れるルールがわからなくて入れなかったか、みんなに倣って入れたものの、ランチの時間に何をどうしたらいいのかわからなかったか、とにかく何かの手違いでお弁当を食べることができなかったんだと思います。
ランチタイムは息子にとってとてもハードルが高く、何度かまったくお弁当に手を付けていないことがありました。そのたびに何があったのかと担任にメールをすることになったわけですが、たいてい何かルールが変わるタイミングでお弁当食べられない事件が起こりました。
そのたびに、担任の先生は「私が息子さんによく説明するようにします」と言ってくださったわけなんですが、実際には大変だったろうなと思います。
そもそもランチタイムは担任の先生の担当ではありません。ランチのスタッフはまた別なのです。これも後から知りました。
あとは、説明したところで、息子がほとんど理解できない、ということです。
一度、ものすごく悲しそうな顔で帰ってきたことがありました。
「お弁当箱が見つからなかったんだ」
と泣きそうな顔で言いました。
その日も、何かランチタイムのルールが変わったようで、ランチバケットの位置が変わったのか入れ方が変わったのか、とにかく息子は自分のお弁当箱がどこに行ってしまったのかわからなくなってしまったようでした。
息子のそんな悲しそうな辛そうな顔を見るたびに、代わってあげたい、と何度も思いました。
渡米して、一番感謝しなければならないのは、息子です。
本当によくがんばってくれています。一生分の感謝を重ねても足りないくらいです。