エメラルドシティでの輝かない生活

シアトル近辺でオットと息子の三人暮らし.子育てと日々の雑感.

トランプ大統領の目指したアメリカ

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笑顔の写真が少ない

以前紹介した「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の中に、とても印象的なセリフがあります(印象的な言葉の宝庫なんですが)。

「ヒラリー・クリントンは、黒人のところに行って『あなたたちのための政治を行います』と言った。ヒスパニックのところに行って『あなたたちのためにやります』と言った。女性のところに行って、同性愛者のところに行って『あなたたちのために』と言った。で、トランプは何と言った?『俺はアメリカのための政治をやる』と言ったんだよ。どっちが包摂的インクルーシヴに聞こえるだろうな?これほど皮肉な話はない」

パブの店主の言葉だそうですが、イギリスのパブの店主っていうのはこれくらいの洞察力がないとやっていけないのかっていうくらい、ドキッとする見方ですね。

これは、トランプの強さがすべて詰まっているような気がして、読んだ時かなりハッとしました。トランプはずっと「アメリカのための政治をやる」と言い続けてきただけなんだろうな、と。

 

民主党に比べて、共和党は「強いアメリカ」「古き良きアメリカ」の色が全面的に出ていて、おそらくとても夢があるんだと思います。多くのアメリカ人の心に刺さるんじゃないでしょうか。

それからすると、民主党の候補が言っていることって、ともすると「お利口さん」「偽善者」のにおいがプンプンします。もちろん、そんなことは全くないんですが、たとえば東大の人が難しいことをあれこれ講釈してくると「どうせ自分はそんなに学はねぇ。ばかにすんな」みたいな気分になりますよね。

 

2016年、前回の大統領選の時、私の周りの人は「トランプは頭おかしい」「あの人に投票する人の気が知れない」「まさか当選するはずない」って口々に言っていました。

でも、ふたを開けてみると、得票数ではクリントンに軍配が上がったものの、選挙人制度の元ではやっぱりトランプが勝ちました。あの時の絶望感は今でも昨日のことのように思い出せます。

でも、トランプ政権を4年間見てきて、何をとっても常軌を逸しているように見えた彼の発言も、「強いアメリカを取り戻す」という信念のもとにやっていたのかな、と思うと、やり方はともかく、彼は彼なりに真剣だったんだと理解することはできます(納得はしていません)。

 

トランプの就任演説を読み返しましたが、希望にあふれていて、素晴らしいと思いました。心にストレートに刺さる内容です。(何も覚えていないし、今さらですが…)

ja.wikisource.org

私の中でも、トランプの見方がずいぶん変わった選挙戦でした。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー