オットの部屋にはシャワーとトイレが付いています。
これが何を意味するかというと、食べ物飲み物以外は自室ですべて完結できるということです。
さらに何が言えるかというと、部屋から出てこなくても生きていけるということです。
彼は食いしん坊なので、しょっちゅう飲み物やら食べ物やらを取りにリビングに出てくるのですが、それが本当にイライラします。無駄な動きが多いからだと思うのですが、私が整理した冷蔵庫をぐちゃぐちゃにされるのもイライラしますし、私の静かな空間を乱されるのも本当にイライラします。できれば冷蔵庫に触れてほしくない。
そんな一触即発の我が家ですが、たまに、オットが部屋から出てこないことがあります。
彼の仕事は時間に縛られることがないので、自分の裁量で仕事をしているんだと思います。朝遅く起きて、夜中働いていることもよくあります。
でも、ふだん、口に入れるものを物色しにリビングに出てくる人間の気配が全く感じられないと、ものすごく不安になります。
だんだん、部屋で息をしていなかったらどうしよう、というよからぬ想像が頭をよぎるのです。
高円宮憲仁さまが突然お亡くなりになったのは、もう18年も前なのですね。
とても健康で精力的に活動されていらしたのですが、スカッシュの最中に突然倒れられて、結局そのまま薨去されました。47歳でした。
どんなに健康な人でも、こういう理不尽と思える死がある。
ふだんはうざいうざいと邪険にしていますが、突然失うことを考えると恐ろしいです。理由はたくさんありますが、認めるのはじゃっかん抵抗がありますが、やはり彼を頼りにしているのだろうなーと思います。
アメリカに来たことで、私は仕事を失って、金銭的に彼に100%頼らざるを得ない状況にいます。でも、自分が自立しているかどうかはあまり関係ないと思います。一番大きいのは精神的な支柱を失うということですね。積極的には認めたくないですが。
変に絡んでくるし。声でかいし。足音響くし。全然人の話聞かないし。自分語りしたがるし。
でも、いなくなることを考えると恐ろしいので、生存確認しに彼の部屋のドアを叩くのが日課です。
斗比主閲子さんに見透かされているみたいで、ちょっとびっくりしました。