息子が珍しく「お母さん聞いて!今日いいことあった!」と言いながら帰ってきました。
「何もいいことなんかない、学校なんて行きたくない」と常々言っているので、これはとても珍しい。
今日のP.E.(体育)で、オレの(バレーボールの)サーブが14本連続で入っちゃって、もうオレそんなに強い球打ってないんだけどさー、最後はかなり緩い球にしてやっと終わったんだよー
ということでした。
私も嬉しい。何より、嬉しいことがあったことが嬉しい。
誰でもみんな、自慢したいし、すごいと誉めてもらいたいものですよね。自分のすごいところはアピールしたいし、自信のないところはなるべく隠したい。息子はその気持ちがとても強いんだと思います。
以前書いた話です。
この後、息子とぽつぽつ話していてわかったことがあります。
白人が嫌とか国語の授業が嫌とかそういうこと以前に、
英語で話すのが苦手、劣等感がある
ということが根本的な問題なんじゃないか。
学校の成績はそれほど悪くはないし、話を聞いていると授業内容もよく理解できています。しかも、なぜ知っているのかわかりませんが、サイエンスやソーシャルスタディで使っている英単語を日本語に訳して話すことができています(沸点とか電子、地層とか)。
とにかくスピーキングに自信が全然ないみたいなのです。
これは…想像できます。
日本語だって、私は人前で話すのは苦手でしたから。今もそう。
突然先生に当てられて、教室の前に出ていって、みんなの前で話をする、となると、軽くパニックになるようでした。クラスみんなが自分の英語を笑っているような気持ちになるのです。これが日本語なら問題ないようなので、たぶん、その辺なんだろうなぁと思います。
数日前、自分の自尊心を損なうような経験を授業中にして、とても落ち込んで帰ってきたことがありました。お昼もまったく食べられなかったそうです。
準備不足だったり集中して先生の話を聞いていなかったり、まあ、本人の悪いところもあります。先生もとてもいい先生です。
でも、ちょっとしたことで、彼の自尊心は傷つきました。話を聞くと、全然大したことないんですけど、おそらく誰も気にも留めていないと思うんですけど、もともと気にしている英語のことで、相当落ち込んでいました。
誰もあんたの英語のことなんて気にしないよ、と言うのは簡単ですが、思春期の子供に「他人を気にするな」というほど、意味のないことはありません。
こういう時は、傾聴に限ります。とにかく、ただただ聞く。
意見したくなっても、ここはこらえます。
渡米するとき、よく言われました。
「子供は早いから」
「半年もしたらペラペラだよ」
半年でペラペラだとしたら、それは発音がいいからそう聞こえるだけな気がします。または、死ぬほど親子で努力したか。
個人差はありますが、多かれ少なかれ、子供たちは傷つきながら英語を獲得していきます。そもそも、自分の意思で来たアメリカではありません。
息子の牛歩のごとく遅い歩みの中で、私にも話していないだろう、数々の苦い思い出があるのかと思うと、小さいころからアメリカ暮らし、楽々英語ができてうらやましい、なんて、そんな簡単に言わないでほしいな、と複雑な気持ちになります。
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