どういう話の流れだったか忘れてしまったんですが、息子に
「なんでアメリカのCMには有名人が出ないか知ってる?」
と聞かれました。
それはだいぶ前から、家族で話題になっていたことでした。
ふだんは全然気にならないんですが、日本から帰ってきた直後だと、すこし気になることがありました。日本のCMって、芸人さんや俳優さんが出ていたりしますよね。それに比べると、アメリカのCMってすごく地味です。
数年前に、Perfume がアメリカツアーでシアトルに来たことがあったんですが(息子を友達に預けて夫婦で見に行きました)、その時に、シアトルの名所の一つ、スターバックス1号店の話が出ました。
「でもね、私たち、タリーズのCMやっているから」
「ねー?」
「わかるでしょ?ねー?」
という感じで、三人でタリーズの競合の宣伝になるようなことは言えない、と暗に含んだ言い方をしていました。私は「なるほどね」と笑ったんですが、横にいたオットが
「通訳もそのまま訳していたけど、アメリカ人にこの意味伝わるのかな」
といぶかしげでした。
実際にアメリカ人に聞いたことはないので真偽は定かじゃないですが、こういう細かい話もお国柄が出るのね、と思いました。
というところで冒頭の質問に戻ります。
どうやら、息子は Language arts (国語)の読み物でちょうど学習したようです。
商品の宣伝は、日本と違って、一般の人がやることがいいんだって。一般の人がこれはいい商品だって言っている方が信じられるっていう慣習みたいだよ。
なるほどー。それはわかる。
たしかに、セレブが「これはいいですよ」と言っても、どうせ金もらって言わされているだろ感はありますよね。実際、意味も分からず宣伝している人もたくさんいるみたいですし。その点、アメリカのCMは実際の声という演出が効いているようにみえます。
よくよく考えてみれば、セレブだろうが市井の名もなき人であろうが、お金をもらって言わされている可能性という点では同じくらい怪しいわけでなんでしょうけど。こういう受け手の心理を考えるのは、とても興味深いです。
それで思い出したんですが、昔、「広告批評」という月刊誌がありました。
調べたら、2009年に休刊したそうなのですが、私は編集者の天野祐吉さんのコラムが好きで、定期購読していた時期がありました。CMを通して、世相を切り取ったりしていたと記憶しています。
日本のCMは、そういった意味では、日本のその時の世相を振り返るのに、すごくコンパクトにできていて、面白いかもしれませんね。
NHKに、すごくいいページがありました。
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