つい先日、たまたま、補習校出身でこの秋から新社会人、という方のお話を聞く機会がありました。
今回が初めてではなくて、何度か立ち話をする機会もあったのですが、まとめて話をしたのは初めてでした。
ふつうにこのシアトル近辺の、なかなか大きな会社で就職が決まったわけですから、とても優秀な方です。
これまでの断片的な話を総合すると、少なくとも小学校4年生の時には補習校に通っていたことはわかっています。渡米が10歳とすると、彼のアメリカ生活は12, 3年以上と考えられます。
12, 3年で英語をネイティブレベルにして、なおかつ日本語もネイティブ、これは誰もが理想とする「バイリンガル」ですが、アメリカに住んでいるからと言って、自然に獲得できるものではありません。努力の賜物です。
日本にいる人たちにはあまり知られていませんが、たいていは、日本語が廃れていくのです(両親日本人であるかどうかはあまり関係ないようです。一般的に、親との会話の量と年齢は反比例します。きょうだいの会話は英語になっていきます…そうなると、親と日本語のやり取りがさらに面倒になって日本語離れが加速していく、という例をずいぶん見ました)。
最初は息子の英語の上達について相談していたのですが、そのうち彼自身の話になりました。
「ぼくも、ミドルスクールではふつうのレベルの授業に加えて、リーディングの補講クラスに入れられていました」
(毎年学力テストがあるのですが(国・数のみ)、その点数が学年レベルに達していないと、ふつうのクラスに加えて補講クラスを取らされる。)
「今にして思うと、あのクラスはよかったです」
「授業は7年生からすごく大変になった記憶があって、6年生のうちに英語力強化できたのは、その後すごく助けになりました」
彼がその後、どのような努力をして今の英語力を身に付けたのか、気になるところでしたが、ここでタイムアウトとなりました。
人の体験談を聞いてもあまり意味がないと思いますが、ひとつの励みになりました。彼の話を聞いて、息子も少し思うところがあったようです。
私があれこれ根回しして飴と鞭を駆使しながらガンガンたたいたところでびくともしなかった大岩が、ちょっとしたきっかけでぐらぐらと動いた瞬間でした。
経験値のない親の1000語より、ロールモデルの存在は100万倍の力がありますね。