アメリカ各地で、アジア人へのヘイトクライムや暴力事件が多発しています。
今週火曜日に、アトランタで発砲事件が起こりました。
アジア人を狙ったものだと結論付けるのはまだ早いとされていますが、たとえこれが本当に「たまたま」アジア系の店で起きてしまったことだとしても、そうはすまされないと思います。
これを受けて、ワシントン州インスリー知事も声明を出しました。
Inslee statement on Georgia spa killings | Governor Jay Inslee
これは、アジア人への暴力事件と解釈しての声明ですね。行動が早いです。
息子のミドルスクールでも、緊急アナウンスが出ました。
火曜日にアトランタで起こった悲劇および Asian American & Pacific Islander (AAPI) をターゲットとした暴力事件の報道により、私たちの生徒、職員、家族がネガティブな影響を受けた可能性があります。
不安を感じたり、動揺してどうしたらよいかわからない方々をサポートいたします。私たちのカウンセラーが、個人または小グループで気持ちを吐き出したり話し合ったりする準備をしております。ご希望の方はご連絡ください。
BLMの時も、こういったアナウンスがしょっちゅうありました。こういうメンタル面のサポートには強い信念を感じます。実際にどれくらい利用されているのかわかりませんが、受け皿があることがわかるだけでも安心ですよね。
歴史的に見ても、社会が暴力的になるのは、だいたい貧富の差が拡大したり経済的な不安で食べるものに困るような人が増えた場合が多いです(コテンラジオの受け売りです)。コロナ禍の影響は大きいのだと思われます。
こんな note を読みました。
読むのが辛かったです。
息子にも話して聞かせましたが、かなりショックを受けていました。
著者が日本人嫌いの数学の先生から執拗ないじめを受けた話です。最後にこんな手紙をもらったそうです。
自分の親戚が真珠湾で日本人に殺されたこと、日本人は野蛮なこと、神風特攻隊なんてものを思いつく日本人は世界のためには生きてちゃいけないと思うこと、それでも生徒として預かったからには教育して鍛え直して正しい方に導いてやりたいこと、使命感はあるのにうまくいかないこと、どうかわかってほしいこと、俺は君を嫌いなわけでも恨んでいるわけでもないんだ、ただ日本人というものが邪悪な存在だということに君も気づいてくれたら、きっと世の中はもっと良くなる、人生を正しく送ってほしい、先生たちは正しい人の味方だからね――。
先生を非難するのは簡単ですが、そもそも戦争という暴力的な歴史がこういう思想を生んできたとも考えられます。ここで、我々だって原爆で多くの人生が失われた、と言い返せば、また新たな溝を生むだけです。差別や怨恨は、結局次の差別や怨恨を生みます。それを断ち切ろうとしてガンディやキング牧師が立ち上がりましたが、相変わらず世界から戦争も差別もテロも殺戮もなくなりません。
絶望的に見える世界ですが、それでも私はわりと希望を持っています。
差別やヘイトクライム、あるいは暴力に対して、敢然と立ちあがる人が必ずいるからです。言い続ける人がいる限り、世界は必ず良い方へ揺り戻すと信じています。