私の子供時代は、周りにピアノを習っている人がわりとたくさんいました。今はもっといるかもしれないですね。楽器も多岐にわたっているのかな?
私はピアノは習っていなかったのですが、音楽の時間の前や休み時間などに友達がピアノを弾いているのを羨ましく見つめていました。
当時は何の曲を弾いているのか知らなかったのですが、大人になってから、それはブルグミュラーの練習曲だということを知りました。
私の小学生時代の友達はずいぶん私にあれこれ聞かせてくれたみたいで、今、息子はピアノを習っていて、ちょうどブルグミュラーやっているのですが、どの曲も聞き覚えのあるものばかりです。
子供の時の刷り込まれた記憶ってすごいんですね。きっかけさえあれば、どこからでもひょっこり顔を出してきます。
最近習っている曲は、"The Farewell" です。
今知りましたが、ブルグミュラーってパリで活動されていたから、この練習曲もフランス語なんですね。 "The Farewell" なんかより、"L' adieu" の方が雰囲気あります。
しかし素晴らしくいい曲ですね!ピアノを習っている友だちが
「ブルグミュラーは楽しかった」
と言っているので、練習曲と言いながらも音楽的にも優れているんだろうなと思います。
これを聞いていて、自分の小学校時代が雪崩のごとく押し寄せてきました。
当時の教室の雰囲気とか、友だちとのなんてことない会話とか、当時の香りというか感触みたいなもの。こういうのを、幼い頃への憧憬というのかもしれません。ノスタルジックですね。
ふだんは子供のころなんて面倒くさくて絶対戻りたくない、という現実主義者なんですが、ブルグミュラーを聞いていると、あの時の楽しかったこと悲しかったことすべてひっくるめて懐かしくて涙が出そうになるのです。
音楽の力ってすごいですね。
こういう感情が一気に呼び覚まされてしまうのです。