エメラルドシティでの輝かない生活

シアトル近辺でオットと息子の三人暮らし.子育てと日々の雑感.

一国だけを締め出すのは容易じゃない

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忙しくないのに時間がない

オットが最近忙しそうです。

いえ、彼の場合、基本的に「すごく忙しい」か「超絶忙しい」の二つしかありません。

 

日本からわざわざこちらに異動してきたわけなので、彼はインターナショナル部門を担当しており、おかげで月に数回はどうしても夜中か早朝にミーティングが入ります。

「インドとミーティングすると必ず体調を崩すんだよ」と嘆いていました。

インド人や国が嫌いとかじゃなくて、どうしてもいい時間帯にミーティングができないんだそうです。時差がだいたい12時間、相手に合わせると、どうしても無理な時間になってしまいます。

 

それでもめったに週末仕事なんてしないんですが、先週は土曜日の朝から電話会議をしているオットの声が聞こえてきました。そんなに長い時間じゃなかったんですが、「仕事?珍しいね」と言ったら、長いため息をつきながら「ロシアだよ、ロシア」と言います。

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一昨年の今頃。レイクビューな金持ちエリア

どうも、会社がロシアを自分たちのサービスから締め出す、と判断を下したんだそうです。ただ、判断を下したものの、具体的にどこからどこまでをどうするか、ということを詰めなければなりません。そこで、取締役のうちのひとりが様々なケースを想定して、現場で働くオットとその上司を呼び出して、どこまでが自分たちの現在のシステムで実現可能なのかをヒアリングしたんだそうです。

 

もちろんオットは現場で働くただのエンジニアなので、一切の権限はありません。あとは会社の偉い人たちがどう判断するかにゆだねられた、ということでした。

 

「ロシアを締め出す」と簡単に言いますが、ドイツやイタリアのロシアの天然ガス依存にも見られるように、物理的な国境はあるものの、経済に国境はなく、さまざまなサービスが国をまたいでいます。一国だけを締め出すことがいかに難しいかということです。

結局ロシアのサービスを使っているロシア周辺の国々もあるわけで、オットの会社がロシアへのサービスを制限することで、周辺の国も一緒に窮地に追いやられる、ということにもつながってしまうんだそうです。

 

同時に、ロシアにもオットの会社の支店があるそうなのですが、彼らへの仕事はストップしてしまいました。彼らはただまじめに仕事をしてきただけなのに、落ち度もないまま、失業してしまいました(辞めさせられたわけじゃないかもしれないですが)。そんなのあんまりです。

 

ということをオットに言ったら

「いやだから、これはもう世界大戦なんだよ」

と返ってきました。ヒヤッとしました。

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みんな戦争なんてしたくないと考えていて、だれも危険な目に遭ってほしくないと願っていて、平和になってほしいと訴えているにもかかわらず、一度動き始めてしまった流れを変えるのはなんと難しいことなのかと思います。

祈るくらいしかできないけど、祈り続けます。

 

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