つい先日、4年生の時に現地校で同じクラスだった男の子のお母さんからテキストが来ました。息子とは仲が良くて、よく遊んでもらっていた男の子です。
「本棚を整理していたら、うちに同じ本が2冊あったの。変だと思って中身を見たら、先生から息子くんへ渡された本がうちに混ざっていたみたい」
4年生の最後の日、担任の先生から何冊か本をいただいたのですが、そのうちの1冊にその男の子あてに先生からのメッセージが書いてあったので、慌てて連絡してお渡しした経緯がありました。
そもそも、担任の先生がうちの子とその男の子を取り違えて渡してしまったようです。仲も良かったし、当時は席も近かったので、間違えられても不思議はありません。
そんなわけで、2年越しでうちにも先生からの本が届きました。
その本がこちらです。
「穴」というタイトルで、邦訳も出ています。
表紙に金のシールが貼ってあるので、賞を取った推薦図書ということですね。
この本ですが、たまたま公立図書館に日本語翻訳が置いてあったので、借りて読んでいました。なんで手に取ったのか覚えていないのですが、どこかで話題になっているのを見たんだと思います。
いや、これはすごい本でした!!
(息子のかつての担任の先生の好みと被ってさらに感動。)
小学生の時にミヒャエル・エンデの「はてしない物語」を読んで以来の衝撃でした。
ちなみに、この「はてしない物語」、映画がヒットしましたが、原作読んだ人たちからは大不評でした。私も自分史上最悪の映画だったです。
話戻りまして、「穴」です。
最初はなんだかすごく暗くてつらい話が続くんですが、ここをがまんして読み進めると、いたるところにちりばめられた伏線が次々と回収されていき、最後はスカッとする(?)という、読み始めたら止まらないストーリーでした!
久しぶりにこんな読み応えのある小説を読んで、感激でした。
あまりにも素晴らしかったので、同じ作者の「泥」という本も、やっぱり邦訳が図書館にあったので読みました。
これもすさまじかった…ビビりました。
あまりにもびっくりして、読んでいる途中で大声で「あっ!」と叫んでしまったほどです(映画を見ながらよく叫びますが、本を読んで叫ぶこともたまにあります…)。
「泥」も「穴」に勝るとも劣らない大変すばらしい小説でした。
本当に伏線の使い方がうますぎるのです。どうでもいいと読み飛ばしていたパーツが、のちのちいい仕事をするのです。回収されていく伏線が見事すぎて、完全に作者の思うつぼです。
これも一気に読んでしまいました。
欲を言えば、これを子供の頃に読みたかった。
現代の子供は、読書以外に楽しいことが多すぎて、読書量が減っているみたいですね。データを見なくてもなんとなくそんな気がしていました。
※この記事のタイトルおよびリード文がひどすぎる
実際に活字を読むんじゃなくてもいいのですが、物語に触れることは、ふとしたときに助けになることがあります。少なくとも私はそうでした。
あの時、あの本の主人公がこう言っていたな、とか、大人の言っていることはすべて正しいわけじゃない、とか、今の苦しい時間は永遠に続くものじゃない、とか。物語に没頭している時は幸せでいられます。
世の中便利になったり楽しいことが増えるのはもちろんウェルカムですが、今でもこんなに素晴らしい児童書が作られ続けているのに、それに気づかないまま、子供時代を終えてしまうのは、おせっかいながら、とてももったいないなぁと思わずにはいられないのでした。
(うちの息子も全然本読みません。)